高飛車
富士急ハイランド
新施設プレスプレビュー 2011-07-08
5年ぶりの新規大型コースター「高飛車」のプレスプレビューが開催される。
天気予報は晴れ時々曇りで、強風の心配も無し。
交通手段は新宿からの貸し切りバスまたは現地直行。
現地直行組みの筆者は、前夜発か当日発か悩んだが、前夜についつい酒を飲んでしまったので、当日早起きしてクルマで出発。
曇り空ながら、富士山がはっきり見える。
前夜発って、逆さ富士を見ればよかったかなぁ、と少し後悔。
山中湖
山中湖
逆さ富士の名所、山中湖。
予想通り既に湖面が波立って、全然ダメでした。
富士山はバッチリでしたが。
R139を走り、富士吉田が近づいてくると、圧倒的な高さのFUJIYAMA、そして朱色のええじゃないかが存在感を示す。しかし、どんなに近づいても「高飛車」の所在が確認できない。
ハイランドリゾートホテル建物が近づいても、うーん、どこに有るんだろう?
木々の向こうに、こじんまりと絡み合う黒いレール、あぁやっと見つけた(わき見運転注意)。
FUJIYAMA 79mに対して高飛車 43m, そのスケールの違いを実感させられる。
R137からのアクセスでも、大体同じ印象だ。ハイランドリゾートにクルマを入れる。
ハイランドリゾートホテル前
ハイランドリゾートホテル前
晴れ間が広がり、日差しが焼け付く。
暑さとの戦いになりそうな予感。
富士急ハイランド「高飛車」プレスプレビュー
ホテル入り口
現地直行組みの受付開始は11:00AMとなっていた。
大幅に余裕を見て10時過ぎに到着したが、既に受け付けOKだった。
申し込み名簿を確認し、手渡されたパスケースに名刺を入れる。
アトラクションにも乗れることを確認し、さっさと入場。
貸し切りバス組は「富士山駅」に立ち寄って、11:30ころ到着予定である。
こんな看板もあるのですね、標語は定期的に差し替えられるようだ
先行入場し、既に取材開始しているグループもいた。
まずはFUJIYAMAに2回乗り、ドドンパにも乗ろうとしたが、プレビュー開始に間に合わなくなるので見合わせて、ホテルの昼食会場へ。
前回と同様の、おいしい中華弁当だった。
コーヒー貰って、不要な荷物をクルマに置いて、会場(バンケットホール富士)に入る。
席にはパンフレットと冷えたパナジウム水
12:20 定刻に説明会開始。まず高飛車のCMが流されて、続けてムービー「富士急ハイランド絶叫ヒストリー」が上演される。
VIDEO
高飛車CM + 富士急ハイランド絶叫ヒストリー
坂田師匠に笑い声が。
そして富士急行(株)堀内社長のプレゼンが始まる。
堀内社長によるプレゼンテーション
プレゼンテーションは、東日本大震災の被災者に対するお見舞いの言葉でスタートした。
要約すると、次のとおり。
新コースター高飛車建設プロジェクトは、ええじゃないか完成直後からスタートした。
高飛車は従来のFUJIYAMA、ドドンパ、ええじゃないかに比べると、絶対的な高さや速度の点で遠く及ばないながら、垂直タワー、ギネス申請中の121度ドロップ、リニア加速、7回転のひねり(回転数そのものは追求しなかったニュアンスあり)など「コンビネーション」が決め手である。
走行試験においては、ええじゃないか同様に自分自身が第1号乗車した。
垂直タワーの上昇では、真上を見上げて、青空と太陽のまぶしさを実感できる。
そして頂上で停止し、そこで体験できる富士山の絶景は、ええじゃないかでは見ることができない。
121度のえぐり込むような落としはハイライトであり、宙吊り状態も初体験ゾーン。
さまざまな要素がてんこ盛りで、こんがらがったスパゲティのような、完成度の高い、濃密で切れのあるコースターに仕上がった。
このようなコースターを継続的に、30億円かけて導入するのは、日本では富士急ハイランドだけである。
高飛車は、これまでに無いほどスムーズで静かなコースターである。
よって悲鳴だけが響き渡る。
ブレーキや安全対策に対しては、十分に投資した。
よって、雨天でも運行できる安全性を実現できた。
これは「雨天ではコースターが運休し、富士急ハイランドを楽しめない」というお客様の声に応えたものである。
もちろん、びしょ濡れ覚悟で乗っていただくことになる。
「高飛車」のネーミングは、軽いノリ・感覚で付けたもので、コンセプトや理念は無い。
富士急ハイランドのアトラクション(注:絶叫系ローラーコースターに限る)では、初の漢字ネーミングである。
これは海外(時に中国)からのお客さんを意識したものでもある。
気力と体力の続く限り4大コースターを楽しんでほしい。
高飛車以外の話題としては、最恐戦慄迷宮(歩行距離862m)、トーマスのパーティパレードがある。
絶叫・ホラー・家族の団欒を柱に日本のアミューズメントパークをリードする富士急ハイランドにご期待下さい。
まさに心強い、元気づけられるお言葉でした。
ここで発表。
「最大落下角度121度」が本日、正式にギネス認定された。
ギネス・ワールド・レコーズ・ジャパンのフランク・フォーリー社長が、じきじきに認定証を授与する。認定に当たっては厳しい審査(図面・データ・実際に乗ってみるなどのチェック)が行われた。
実のところ審査というよりも、乗りたくて乗りたくてしょうがなかった、というのが本音だったそうである。
認定式の記念写真
「続いて、次の映像をご覧下さい。」とだけアナウンスが入る。
VIDEO
戦わないヒーロー、絶叫戦隊ハイランダー
平和ボケした彼らに、もはや緊張感は、無かった。
High High Low Low (Go) Shout !!
正義の味方だと思うなよ
本日より絶叫戦隊ハイランダーに、高飛車ゴールドが加わりました。
今度は富士急行スケート部の皆様が登場。
急な企画ながら「高飛車に乗ること」になったそう。
それぞれの抱負を聞かせてくれます。
(お詫び)個人情報とか、世の中やたらと喧しくなっていますので、念のため氏名を名乗るシーンををカットいたしました。簡易な編集環境につき、聞き苦しくなっています。了承の上、ご覧下さい。
記念撮影
これにて説明会は終了。
後ろのカーテンが開くと、見事な富士山が。
心憎い演出である(晴れてて良かった)
続いて13:00から、待ちに待った試乗会。
最初の1時間は撮影無しで、まずは乗って体験していただく、そして14:00以降は番組収録や撮影OKという段取りである。
5グループほどに分かれて、高飛車乗り場に移動する。
筆者は最後のグループに割り当てられていた。
まぁ贅沢を言える立場ではない。
ホテルから出て、第1入園口へ。
こちらから入るのは、とても久しぶり。
かつて(FUJIKYU HIGHLAND 表記)とは異なり、威嚇的なデザインになった。
アジテーションかましまくり
ショップもシックな感じにリニューアルされていた。
ドドンパ射出口の下をくぐって、高飛車乗り場へ
入り口に向かう、右の屋根付きエリアは行列スペース
Fuji-Qおなじみの九十九折れスロープは、1+2/3往復
最初にスケート部の皆様が乗るとのことだったが、見られなかった。
やっと上側スロープへ、左のレールはドドンパのブレーキゾーン、だから、、、
あの「ガ・ガ・ガ・ガ・ガッ」というブレーキ音が耳元で轟く(とても、うるさい。。。)
スロープの終着点に券売機あり。画像は別途。
高飛車スタッフのコスチューム(居酒屋、と評されるようだ)、朱色の通路は優先券専用
ゲートをくぐると乗車ホーム。
少し暗い感じの照明に、水墨画風のイラスト、そして市松模様の床やロッカーが目に痛い。
高飛車のライド
8人乗りのコンパクトなライドである。
同じく8人乗りのドドンパに比べると、やや窮屈かも。
安全バーはガッチリ・ショルダーハーネスで、飛び出すように取り付けられたグリップが邪魔そうだ。
画像では判りにくいが前後席の間に連結部あり、ねじれる構造になっている。
突き当たりが乗り場
まずはカメラを持たずに2連荘。
詳細は
Course Guide にて紹介するが、このコースターは4セクションに分けることができる。
暗闇走行〜リニア加速
3回ひねり宙返り+ステンゲルダイブ風キャメルバック
垂直上昇+121度落下
3回ひねり宙返り
初乗車は、連続するプラスGと、強い揺れで、少し酔った状態で終了した。
近年は、滑らかな走行と爽快感が流行りだが、高飛車はむしろハードな部類に入る。
休憩をかねて、駅舎やオフライド撮影を行った。レポートは以下リンクから。
おっと、高飛車ゴールドがいらっしゃる
ムンクの絶叫(実際に乗ったのかは不明)
安全対策を施して、カメラを持って試乗する。
手汗滝落ちで、かなり「重労働」だった。
静止画は以下のリンクからどうぞ。
動画バージョン#2〜#7はYouTubeで公開中。
おかえりなさい
乗りに乗って、高飛車 計10回、ええじゃないか2回、ドドンパ・FUJIYAMA各1回。
さすがに限界感じたわ。
17:00からバンケットホールで懇親会。
ちょっと遅れて参入。
立食パーティ
趣向を凝らしたメニューがいっぱい
富士急行社長および一部の役員の方々にお話を伺うことができたので、紹介する。
Q: Euro-Fighterおよびその亜種に、腰だけハーネスの機種がありますが、高飛車で採用できなかったのでしょうか?
A: 安全面を考慮すると、それは考えられなかった。高飛車のスペックでは、腰だけハーネスは不可能と判断した。当社では120%の安全性を実現しているが、それでも絶対であるとは言えない。これまで海外の色々なEuro-Fighterに乗ったが、高飛車はそれら以上の品質に仕上がった、と断言できる。
Q: 高飛車の工事は昨年12月から始まったと認識していますが、ものすごく急ピッチな工事で、あっという間に完成しました。冬場の工事ということで大雪などは想定されていたと思いますが、流通がストップした東日本大震災は、大きな影響があったと思います。しかし以降の工事が滞ることなく、予定通りにオープン出来ることに驚きを感じています。ポイントがありましたら、差し支えない範囲で教えて下さい。
A: ゲルシュトラウアーと阪和興業(代理店)の工程管理の素晴らしさに尽きる。(著者注釈:特に阪和興業について強調していた。おそらく工事の大半を手配していたのでは、と推測できる)(以上、富士急行 堀内社長)
Q: 相模湖プレジャーフォレストは広大な敷地であると伺いました。アウトドア、山、森林のイメージから、大型木製コースターを連想するのですが、可能性は無いのでしょうか?
A: 何とも申し上げられない。ただ、堀内社長が何か考えている可能性は無いとはいえない。導入できれば良いですね。(以上、相模湖リゾート 社長)
Q: 5年後に新コースターを導入するには、富士急ハイランドの敷地の狭さがネックになると思います。可能性はゼロに近いと重々承知していますが、国道139号を挟んで反対側に「樹海を疾走するコースター」は考えられないでしょうか?
A: お客様の園内移動量が大きすぎるので現実的ではなく、また環境面を考えても実現はありえないと思われる。
Q: 第1駐車場を立体駐車場にして、新コースターとハイブリッド化するとか、建設費ネックとは思いますが。
A: ご察しのとおり、難易度は高いでしょうね。。。(以上、富士急行 人事部長)
後半は、明らかに妄想の入り込んだ質問で、お騒がせいたしました。
ギネス認定証と富士山
ギネス認定証
一応転載しておくので、お暇な方は翻訳するなり何なりと。
Guinness World Records Certificate
The steepest roller coaster is the Takabisha with a 121 degree free fall which is located at the Fuji-Q Highland in Fujiyoshida, Yamanashi, Japan and was unveiled on 8 July 2011
推定135度とか180度とかのライドも実在するが、どうやらfree fallが決め手のようだ。
ドロップ箇所にブレーキ用の鉄板が生えていたり、E型戦車のように自走式(逆さ吊り水平)
では認定されないようである。
この記録を破るコースターは現れるのか?
記念写真
18:00頃、
「ご歓談中とは存じますが、楽しい時間は短いものです、、、、」
と一本締め。
前回同様に貸し切りバス組みは速やかに退場していく。
最後の一人になる前に、そそくさと退散し、お土産を受け取る。
「高飛車」なデザインではなく、「驚かさないで」と書かれた紙袋
色々なアイテムが入っていた
将棋の駒の箱は、潟Gスプライドによるスナック菓子
富士山形のクッキーには銘が付いていなかった
非売品も含まれているのだろうか
後日、扇子を広げてみた(裏側は真っ白)
それでは、お楽しみの「ふじやま温泉」行きましょか。
招待券1枚使って。
〜〜〜
すっかりふやけて駐車場へ。もう22:00近い。
屋久島と長万部が同じ方向ではないだろう、とマジレスしてみる
距離についても確認してみた。
手段はGoogle Mapのディスプレイ表示(直線距離)を物差しで測って。
とはいえメルカトル図法の地図で測っても不正確。
屋久島 942km, 長万部 786km, カムイワッカ 1107km
無理やり手持ち撮影した夜のFUJIYAMA
それでは退散します。何から何までお世話になりましてスミマセン
ホテル ハイランドリゾート
山中湖で車中泊、起床したら霧だった
残念逆さ富士見れない。
でもこれは、ありがちなパターンなので、パノラマ台に移動する。
でも、ここもガスガスで何も見えず。
三脚を持ったカメラマンが何人かいたけど、失望した表情を浮かべていた。
更に登って霧の上に出る。
カメラを構えると同時に、あっという間に霧が上がってきて失敗。
これはもう、明神山まで行くしかないな。
峠に車を置いて、緩やかなトレイルを歩きはじめる。
おお、ばっちりフジヤマ
明神山頂の道標
山頂の祠
霧が動きはじめる、山中湖は雲海の下
あやめ
こちらは丹沢山塊
大井松田付近にて、前衛は矢倉岳と足柄山
お土産の招待券を使って、再び訪問。レポートは以下からどうぞ。[完]