Tangerine Dream
Electronic Meditation (1970)

Jive Electro C TANG4 - total time 36:35

  1. Genesis 5:56
  2. Journey Through A Burning Brain 12:26
  3. Cold Smoke 10:38
  4. Ashes To Ashes 4:06
  5. Resurrection 3:27

Recorded as a rehearsal at an old factory in Oct. 1969 in Berlin
Edgar Froese : 6 and 12 String Guitar, Farfisa Organ, Piano
Klaus Schulze : Percussion, Metal Sticks
Konrad Schnitzler : Cello, Violin, Additator

『ベルリンスクール・トライアングル』

タンジェリン・ドリーム(柑橘夢)という奇妙なグループ名は、某曲の歌詞 "with tangerine trees and marmalade skies"からの引用とされている。 中心人物はエドガー・フローゼであり、 結成前にはThe Ones名義で、シングルLady Greengrass/Love Of Mine(1967)をリリースしている。 この作品は、初期ピンク・フロイドを思わせるサイケデリック・ポップ・ロックで、 "Puff the grass is tangerine, Puff the sky is suddenly green"などと歌われる。 確かに某曲との共通性を感じるが、どちらも1967年リリース(やっぱり某曲の方が先なのかな)。 そして同年にタンジェリン・ドリームが結成される。 メンバーは流動的だったようで、アルバムやシングルをリリースせずライブ活動を行なっていたようである。

そして彼らのデビューアルバム「エレクトロニック・メディテーション」。 クラウトロック、ジャーマンプログレにおけるエレクトロニック側面(ベルリンスクール)の最重要人物、 エドガー・フローゼ、クラウス・シュルツェ、コンラッド・シュニツラーによる一期一会の「奇跡の競演」作品だ。 ベルリンスクール誕生の瞬間を追体験できる貴重な音源である。

首の無い人形(初期のものは、そこに風船が取り付けられていたらしい)に、アナログシンセサイザのパッチ配線を思わせるジャケット。 裏側はオレンジ色の耳(Ohrレーベルのロゴ)。 いかにもサイケデリックな電子音楽を期待してしまうが、実際は、そうではない。 本作ではギター、オルガン、ドラムス、チェロなどの「普通の楽器」が使用され、 アバンギャルドなインプロビゼーション(思うがままに、やりたい放題の演奏)になっている。 もともとは、スタジオでのリハーサルを編集したもので、楽器以外の音もふんだんに使われているらしい。 音質もデモテープっぽい感じ。 彼ら自身、この録音がまさかリリースされるとは考えていなかった、といわれている。 リスナーを激しく選ぶ作品であることには間違いない。

#1 Genesis(創世紀)
いきなりストリングスで、どよどよよ〜ん、って音をぶちかまし、強烈なドローンが捻じ曲がる。 そしてパーカッションが鳴り響き、女声のような擬音で「うわうわぁ」とシャウト。 そしてフルート(クレジットされないが、ゲストプレイヤーが居る模様)がぴぃひゃららぁって演ってます。 シュルツェのトライバルなお祭りドラムがトランス状態を呼び起こし、いよいよこれから、と期待感に満ちてきたところで断ち切られる (強制的に次トラックに進む)。 これ、片面ぶっ通しで演ってくれればよかったのに、かなり不満が残る。

#2 Journey Through A Burning Brain(燃える脳ミソをめぐる旅)
過剰なまでに甲高いエレクトリック・ギターがパチーン、パチーンと鳴らされる。 お座なりな感じがするけど、The Onesのシングルでも、こんなギターが鳴ってたな。 一方で、荘厳でアンビエントなオルガンは、片面ぶっ通しでも聴き続けていたい。 ピンク・フロイドの曲「A Saucerful of Secrets(神秘)」の影響は、受けてるのだろうな。 後半、シュルツェのドラミングは人力ブレイクビーツで、クライマックスを迎える。 そしてオルガンが再登場して終了。

#3 Cold Smoke(冷たい煙/霧)
静かなオルガンが流れて、一瞬ドカドカッっていう形態の演奏です。 構成は#2と似ているが、こちらはダークな印象。 後半、オルガンとお祭り太鼓で盛り上がり、またまた耳障りなギターソロと笛がピーピー騒いで、しまいには絶叫。 そして、いきなりブチ切れるように終わる。 と思ったら、ハァハァと息遣い。

#4 Ashes To Ashes(灰から灰)
割とリズムの一定したインプロビゼーションですね。 ギターの音がちと耳障りで、フルートが調子っ外れですが。

#5 Resurrection((キリストの)復活)
オルガンにドイツ語の朗読(ただしリバース音)を加えた演奏が途切れて、1曲目のGenesisが再登場。 演奏自体は同じもののようだが、ミックスが異なっている。オマケです。

結論?
前半2曲で40分演ってくれたほうが良かったな。。。

本作リリース後、クラウス・シュルツェとコンラッド・シュニツラーがグループを脱退。 シュルツェはエンケ、ゴッチングと共にAsh Ra Tempelを結成するも1作目で脱退。 コンさんもメビウス、ローデリウスと共にKluster名義で数作リリースするも、分離独立。 シュルツェさんもコンさんも、あまりの奇才・天才ぶりに、バンド活動には向いていなかったのだろうなぁ。



A) 裏表紙
B) 見開き



C) 初期CDジャケット(Jive Electro)

この時期の作品が"The Pink Years"と呼ばれるのは、本作のジャケットがピンク色だったことに由来する。 図C)のジャケットは、初期のCD版。 ピンク色ではあるけど、海賊盤か何かかな? 当時はタンジェリン・ドリームのアルバムが、CD化されるだけでも貴重であり、 このようなオリジナルアート完全無視のシロモノでも買うしかなかったのだ。 しかし、続くAlpha Centauri, Zeit, Atem, Green Desertまで、同じデザインの色違いとは恐れ入る。

少し遅れてRelativityからオリジナルアートで復刻されるも、国内の輸入盤店で見かけることは稀だった、 リマスター版は1999年頃、Castleというレーベルからリリースされる。 「Faithfully Restored Artwork」と謳われるものの、納得できるレベルには遠く及ばない。 詳細は次作以降で紹介する。 オリジナルアートにこだわるなら、国内盤の紙ジャケットをお薦めする。

次回作リンク: Ash Ra Tempel (selftitled) / Kluster / Klopfzeichen


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