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Edgar Froese : Guitar, Organ, Coffee Machine
Chris Franke : Percussion, Lotos Flute, Piano Harp, Zither, VCS 3 synthi
Steve Schroeder : Hammond and Farfisa Organ
(Guest)
Udo Dennebourg : Flute and words,
Roland Paulick : VSC 3 Synthi
『虚ろなポスト・ロック』
フローゼ・シュルツェ・シュニツラーによる夢の饗宴から、ほどなくシュルツェ・シュニツラーが脱退(音楽的意見の不一致とされる)。
そしてクリス・フランケとスティーブ・シュローダーが加入。
フランケはアジテーション・フリーからの移籍で、1980年代終盤までTDに在籍した。
シュローダーは次回作ではゲスト扱いになり、そのままグループを去っている。
サウンドは、前作での味わいを残しつつ、アンビエント指向を強めている。
荒削りながら、シンセサイザなどの電子音が使われており、本格的なエレクトロニック音楽への過渡期となる作品だ。
全てのトラックに、ピンク・フロイドの曲「A Saucerful of Secrets(神秘)」のオマージュが強く現われている。
一方で、一部ながら前作を髣髴とさせる、サイケデリックなジャムもあり。
個人的な感想だが、近年のポスト・ロック・サウンドに、よく似ている。
TortoiseやGodspeed You ! Black Emperorあたりがお好きなら、違和感なく聴けると思う。
ところで、コーヒー・マシーンは、どこで使われてるのだろう。
ちょうど良いノイズ源だったのかも(使用楽器は初期版ライナーから転載)。
#1 Sunrise In The Third System(第三体制の日の出)
エレクトリック・ギターとオルガン、シンセサイザによる、荘厳な導入部。
この曲はノンビートになっており、シンセ音は電気的でゴリゴリした感触です。
#2 Fly And Collision Of Comas Sola(蝿と、コマス・ソラの衝突)
タイトルは「コマス・ソラ彗星」に因むもの。
タンジェリン・ドリームの曲名には、このような特殊な固有名詞が多い。
冒頭からアナログ・シンセの変調音を使用している。
とりあえず音は出せたが、まだ十分に使いこなせていない、というところだろうか。
以降は#1と同じような展開で、「神秘」を思わせる聖歌風。
終盤になると、フランケのドラミングが加わり、呪術的なクライマックスへ。
前作におけるシュルツェのドラミングに、勝るとも劣らないくらいサイケデリックである。
突然途切れるように終了。
#3 Alpha Centauri(ケンタウロス座のアルファ星)
ケンタウロス座のアルファ星は地球から4.22光年離れた恒星で、太陽以外で肉眼で見える最も近い恒星。
もちろんベータ星、ガンマ星など数種類存在する。
導入部は太陽讃歌(Pink Floyd)を思わせるシンバルと電子音。
そしてシンセとエフェクタによるドローンが続いていく。
そしてフルートが、気だるいインプロビゼーションを奏でる。
途中で聞こえる「ぶるるるるーん」ベースは、後のBill Laswell & Tetsu Inoue / Cymatic Scan (PS08/50)
で流用されてるような気がする。
後半は、より内省的なアンビエントとなるが、
18分頃にドイツ語の演説が入り、「神秘」を思わせるオルガンとスキャット。
エンディングに向けた展開であろうが、クオリティはイマイチに感じてしまう。
Castle版(ESM CD 346)のリマスタリング・エンジニア(Thomas Heimann-Trosien)は、
曲間(ビスノイズだけが鳴っている部分)を切り詰めたがる傾向にある。
問題はタイトル曲で、導入部のフェイド・インが短くなっていること。
Castle版では、22:04となっているが、Jive Electro版では22:12である。
Jive Electro版の実質時間(無音部分を除外)を調べたところ、22:10であった。
よって、これより短いバージョンは「不完全版」ということだ。
後のリイシューでは22:08とのことで、微妙(カットあり?)と思われる。
なので独自に、Jive Electro版の導入部とCastle版(リマスター)をつなげた音源を作ってみた。
まぁ、いい感じになったと思う。
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