Kluster / Klopfzeichen (1971)

Captain Trip CTCD-541 - total time 61:03

『極上のトランス音楽か?アヴァンギャルドか?』

クラウトロックの黎明期、 脱音楽的で前衛的な音楽家たちが集うZodiak Free Arts Lab(通称 ゾディアック・クラブ)の中心人物、 ハンス・ヨアヒム・ローデリウスと、 タンジェリンドリームを脱退したコンラッド・シュニッツラー、 そしてディーター・メビウス、名エンジニアのコニー・プランクが組んで立ち上げられたユニット「Kluster」。 後のメビウス・ローデリウスによるユニットClusterと区別して「Kのクラスター」と呼ばれる。 なおKluster(ドイツ語読みでクルースター)をGoogle翻訳に打ち込んでみると、バスク語由来と出てきた。

教会が「布教のための新しい音楽を制作する」目的で演奏家を募り、それを受けて本作は録音された。 ただし布教のための朗読を収録する条件あり、承諾することで、めでたくリリース出来たことになる。 経緯の詳細は、コンラッド・シュニッツラーのインタビュー記事を参照ください(ブラウザの戻るボタンで帰れます)。 タイトルは「ノック符号」という意味。

#1 Electric Music Und Texte
演奏内容は電子音楽ではなく、現代音楽に近いインプロビゼーション。 「演奏」というよりも、「楽器を鳴らす」感覚。 ドラム缶かバケツか鍋をカンカンカンカンとリズミカルに叩くような即興演奏。 弦を弾くようにリズミカルなビートを紡ぎだす。 時にはドラが打ち鳴らされたり弦楽器を擦るようなドローンが鳴り響く。 エフェクタを多用し、漂うような音響空間。 とても心地良い、極上のトランス音楽というべきポテンシャルを持ちえたハズだが、 布教活動のためのドイツ語テキストが、ニュアンスを大きく変えてしまう。 テキストは姉ちゃんによる朗読?演説?ナレーション?ラップ? 序盤はセリフとビートがシンクロしており、良い感じでアジテーションをかましているのだが、 次第に音量バランスがおかしくなって、ウルサくなる。 発声は怒気を含んでいて、叩きつけるように喋りまくる。 生声だったりディレイをかけたりリバーブを調整したりと手が込んでいるのだが、 スポンサーから「声をデカくしろ」と要求されたのか?(もうちょっと、大人しくしててくれれば、、、) 結果として、ドイツ語の厳めしさが際立つ、強烈なアヴァンギャルド音楽になった。 クライマックスでは、セロによるドローンが渦巻き、笛が高らかに吹き鳴らされる。

#2 Electric Music
もともとは#1から連続して演奏されたと推測される。 タイトルどおり演説無しで純粋なインストゥルメンタル。 ここでも鍋やバケツのパーカッションは入るがBPMは落ちており、ドローンが主役になっている。

#3 Black Spring 1971
このCDでのみ収録される貴重な発掘音源。 単音ドローンに、間欠的なパーカッションやドラが加わる現代音楽風の作品である。

このCDはキャプテントリップが2006年に制作した、オリジナルジャケット復刻版。 プラスチックのレリーフを忠実に再現するためのコストが、価格に上乗せされている。 2012年にBureau Bレーベルから後継版がリリースされたが、現物を見たことないので詳細不明。 Bureau B版は本編のみ収録でボーナストラック無し。

  1. Kluster 1 (Electric Music) Und Texte 23:33
  2. Kluster 2 (Electric Music) 21:36
  3. bonus track :
    Kluster-Eruption : Black Spring 1971 15:52
Konrad Schnitzler, Dieter Moebius, Hans Joachim Roedelius
Engineer : Conrad Plank
Voice : Christa Runge
Recorded 1970/02/23

Kluster / Klopfzeichen (1971)

Think Progressive TPCD 1.807.029 / Captain Trip CTCD-128

『役目を終えたリイシュー盤だが、ボーナストラックに価値あり』

このCDはThink Progressiveレーベルのドイツ盤に日本語解説を付けてキャプテントリップが1998年にリリースしたアイテム。 プラスティックのレリーフを埋め込んだ特殊仕様ジャケットは再現されず、青色のお座なり残念アートワークだが、メビウスがデザインした由緒正しい?もの。

今となっては、本アイテムの価値はボーナストラックということになる。 イギリスのYHRからリリースされたカセットとのことで、これも現代音楽に近い。 偶然かもしれないが、Black Spring 1971と類似している。

このCDは、シリアル・コピー・マネージャが掛けられている。 すなわち「音楽用CD-Rに録音された子コピー」扱い。 携帯音楽プレーヤーに転送しようとすると、ツールによっては著作権管理の名目で拒否される恐れあり。 まぁExact Audio Copy, foober2000, Lameのようなフリーソフトを使えば解決できるハズだが、 それなりのスキルは要求される。

  1. Part 1 (23:31)
  2. Part 2 (21:34)
  3. bonus track :
    Cluster & Farnbauer Live at the Wiener Festwochen Altarnativ 1980 (15:56)


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