Cluster
Sowiesoso (1976)

SKY CD 3005 / Captain Trip CTCD-598 - total time 38:06

  1. Sowiesoso 8:11
  2. Halwa 2:51
  3. Dem Wanderer 3:54
  4. Umleitung 3:28
  5. Zum Wohl 6:54
  6. Es war einmal 5:25
  7. In Ewigkeit 7:23

Alle Titel von Dieter Moebius, Joachim Roedelius
Aufgenommen 1976 in Forst und gemischt in Conny's Studio
Photos : Christine Roedelius und Jörg Winkhaus Cover Arno Hinz Cluster 3454 Forst

「どっちみち」と題された、Clusterの4作目。 BrainレーベルからSkyレーベルに移ってからの第1弾でもある。 時期を同じくしてBrian Enoとのコラボレーション作品(Cluster & Eno およびHarmonia名義の発掘音源 Tracks & Traces)を録音しており、このコラボがアンビエント・ミュージック(環境音楽)の先駆けとなったとされる。 後の音楽シーンに与えた影響は計り知れない。

試行錯誤的で「どこか壊れたような拙さ」が感じられる以前に比べると、音楽的な完成度が大幅に上がっている。 全編にわたってメランコリックで美しいフレーズと、繊細な電子音のハーモニーで散りばめられている。 軽快なリズム、メロディアスでリリカルなリフレイン、淡々としたリズムギター(これはHarmoniaで共演したミヒャエル・ローターの影響だろう)、軽やかなエレピ、森の中を渡る風のような情緒を感じさせるシンセ音が特徴だ。 本作の適切にレビューするには、多少なりとも詩情が必要で、筆者としても辛いところである。

アルバムコンセプトなんて、まったく無いんだろうなぁ。 あえて言えば、前半(#1-4)は朝の情景、後半(#5-7)は午後から夕方という感じだろうか。

Sowiesoso(どっちみち)
繊細でクールなミニマル。リズムマシンも入るが、ごくごく控えめな、ポコポコした音に抑えられている。高原の朝、窓から差し込む光、緑が香る風のよう。朝の目覚めに最適。
Halwa(甘い)
ギターをメインにした、妖しげな小曲。
Dem Wanderer(放浪者)
こちらも妖しげなメロディながら、朝もやが次第に晴れていくようなイメージ。
Umleitung(迂回)
正午が近づき、おなかが空いたよ、太鼓がドンドン(グルーヴ感は皆無)、掛け声わいわい、ってな雰囲気(笑)。しまいにはカウベルもカラカラ鳴る。
Zum Wohl(利益のために)
心地良い日差しと風の中での、午後の惰眠。
Es war einmal(かつて存在しました)
叙情的なメロディは、本作でも髄一。懐かしい過去への追想。
In Ewigkeit(永遠に)
日はいよいよ西に傾き、アンバーに染まった木々と草原。静寂にして平和なひととき。

本作はCluster作品においても名盤中の名盤だが、入手するなら2007年のCaptain Trip Records版か、それ以降のBureau B版にするべき。
Skyレーベルによる1992年の初CD化(SKY CD 3005)ではタイトル曲(1曲目)の導入部が約50秒ほどカットされている(演奏時間は7:19前後)。 本来ならば、リズムマシンがポコポコ鳴りながらスタートして、性急なベース・シーケンスが加わり、そしてギター他のリズムセクションが始まるのだが、初期CDでは大半のパートが既に鳴っている状態でフェイドインする。 3曲目もイントロの「ボヨ〜ン(数秒間)」が無くなっている。 マスタリングも悪く、耳障りなザラつき(ノイズ)もある。 まさしくSkyレーベルの大失態。 中古盤購入にあたっては、ミスの無いように確認しよう。

次回作となる "Cluster & Eno" は、本作の延長である、と言える。またローデリウスのソロ作 "Jardin Au Fou (愚者の庭)" も同傾向である。本作が気に入られた方は、併せて入手をお薦めする。



裏面
初期CDジャケット(誤購入に注意)

ジャケットの写真は、かつてローデリウスが住んでいた場所だったが、原発建設の影響でヴィエナに越さなければならなかったそうだ。 撮影はローデリウスの妻、クリスチーネ。 オリジナル・ジャケットはシルエットだが、初期CDでは裏面のトリミング画像になっている。

次回作リンク: Cluster & Eno


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