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エドガー・フローゼのソロ2作目。
フローゼ・フランケ・バウマン トリオによるTangerine Dreamの脂の乗りきった時期、
アルバムRubyconとRicochetの間に録音された。
邦題は「青ざめた虚像」だったと記憶しているが、"Pale"は「境界」との意味もあるようだ。
2曲目のタイトルは、オーストラリア東部海岸(シドニー付近)の地名に関係する。
RubyconとRicochetはどちらも傑作アルバムで、見事な曲構成やスピード感が「売り」であったが、本作はそれらに比べると、良い意味で、とてもユルい。
フローゼのソロ作品でも、最も緩やかな作品であろう。
ベールの掛かったようなサウンドが、漂うように流れるのみ。
怪しげな生録サウンド(鳥か動物の鳴き声に鉄道の音?)と、メロトロンによるストリングスと、翳りのあるフルート。
そしてシンプルなシーケンス。
このシーケンスは名曲 Betrayal (Sorcerer O.S.T.) の元ネタっぽく思える。
全編を通じて気だるく美しいサウンドに、身を任せるのみ。
前作の無機的なサウンドに比べて、本作では生き物の息吹とか湿り気のある森林風景とか、想像力を描きたててくれる。
ただ、すごく冷涼との指摘もあったが、確かにそう思う。
全体の展開はRubyconにやや似ており、どちらの曲も同じような印象だが、2曲目は明朗なブラス系シンセがアクセントになっている。
このアルバムは、国内盤LPにおいて「逆回転」バージョンがあるとされている。
不良品扱いで回収・交換されたようだが、「逆回転」バージョンは本編に勝るとも劣らない出来といわれ、伝説と化している。
「逆回転」で聴くだけなら簡単に出来るので試してみた。
うむ、これは素晴らしい。作品としても成立している。
前作のラストシーンもリバース音だったことから、違和感もない。
本編以上のインパクトであることに違いない。
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