
『テクノ音楽・生みの苦しみ』
KRAFTWERK名義の3作目。 前作のアンビエント指向を見直して、遊び心のあるポップ・ミュージックを目指す。 試行錯誤ではなく明確なベクトルがあるものの、演奏レベルがまだ十分に追いついていない。 シンセサイザ類は控えめで、TOYピアノや、ヘロヘロのギターや、やたらと主張の強いフルートなど、 アンバランスで落差のあるサウンドが特色になっている。 チープでオモチャっぽくて空回りしている感もあるが、だからこそ本作ならではの味わいがあるのだ。
リズムマシンを前面に押し出して「ダンス音楽」と言い切る先見性や、 初めてヴォコーダが使われるなど、 テクノ音楽を生み出す過程を追体験できる、貴重な作品である。
Ralf Hütter & Florian Schneider :
Vocals, Keybords, String & Windinstrumente, Drums, Electronics
(Engineer : Conrad Plank)
Recorded & mixed May-July 1973 at Kraftwerk Studio, Düsseldorf etc.
この作品もファーストアルバムと同様に公式には未CD化であり、Germanofon盤、Crown盤で聴くことができる。
| Track | Time | Title |
|---|---|---|
| 1 | 4:23 | Elektrisches Roulette |
| 2 | 2:52 | Tongebirge |
| 3 | 6:18 | Kristallo |
| 4 | 3:43 | Heimatklänge |
| 5 | 6:37 | Tanzmusik |
| 5 | 13:54 | Ananas Symphonie |
| Total | 37:48 |
全般にチープで薄っぺらい音だが、クリアと言えるでしょう。 オフィシャル版ではないので、ローカルに保存されたマスターが使用されているのかも。 盤起こしの可能性も考えられるが、そうであるなら針ノイズは丁寧に除去されているようだ。 高品位マスタリングによる正規リリースを期待したいところである。
SoundCloud "The Kraftwerk Database"の音源は、未評価。
画像はGermanofon盤。 ラルフとフローリアンのポートレイトだが、額の広い学者2人組みといった風貌で、少しもロックっぽさが無い。 画質もイマイチ。むしろ裏表紙の写真(以下参照)が良い。 他にも、CD版に載ってない楽しいイラストが多数あるようで、すべて復刻したうえで正規リリースを期待したいところである。