
『抱腹絶倒の名盤』
KRAFTWERKの1stアルバム。 前身ユニットである Organisation 名義の Tone Float を含めると、実質的には第2作と位置づけられる。
KRAFTWERKは「元祖テクノ」として広く知られるものの、本作はテクノとは言えない。 ロックともジャズとも現代音楽とも言えないような、奇想天外なインストゥルメンタル音楽。 同時期のTangerine Dream, Ash Ra Tempel, Kluster, Amon Düülなど混沌としたサイケデリック・サウンドだったことに比べると、 KRAFTWERKは一線を画していることが判る。 極めて明確な輪郭を持っているうえに、豊富なアイデアと機知を盛り込み、徹底的に工夫を凝らして作り込まれている。
演奏はラルフ・ヒューター、フローリアン・シュナイダー、アンドレアス・ホフマン、クラウス・ディンガー。 クレジットはされていないが、ミヒャエル・ローター(ローテル?ローザー?)もグループに参加していたらしい(詳細は未確認)。 ディンガーとローターは後に「元祖人力テクノ」ユニット、NEU!(ノイ!)を結成。 またエンジニアのコニー・プランクはKRAFTWERKだけでなくNEU!やClusterの作品などを広く手がけているので、チェックしてみると良いだろう。
Ralf Hütter : Organ, Tubon
Florian Schneider - Esleben : Flute, Violin, Electric Percussion
Andreas Hohmann : Drums on track 1 and 2
Klaus Dinger : Drums on track 4
(Engineer : Conrad Plank)
"KRAFTWERK" はドイツ語で「発電所」を意味し、発音は「クラフトヴェルク」に近い。 しかし日本では「クラフトワーク」が定着しており、見直しされる様子も無いので、本サイトでもクラフトワークと表記することがある。 KRAFTWERKは一つの単語であり、たまに見かける「クラフト・ワーク」はCraft Work?と誤解する恐れあり、やんわりと突っ込みを入れてあげましょう。
本作を含む初期作品「KRAFTWERK」「KRAFTWERK 2」「Ralf & Florian」と前身ユニット「Organaization / Tone Float」はアーティストの意向により、正規にCD化されていない。
これらの作品は無かったことにして、「Autobahnがデビュー作」と主張していると言われるほど、強硬姿勢らしい。
一時期、Unofficial CDが出回っていた。主に以下の2種類。
Germanofon盤 (ドイツ製)
Crown盤 (イタリア製)
他にも、ライブ音源のボーナストラックが付く「無銘盤」も存在する。 貴重なライブ音源(Ruckzuck Cologne 1975)が追加されているものの、肝心の本編は針ノイズが酷い。 更にRuckzuck最終部分が欠けており(演奏時間が7:30付近で途中終了)、 論外のクオリティなので無視してよいでしょう。
| Track | Time | Title |
|---|---|---|
| 1 | 7:47 | Ruckzuck |
| 2 | 12:10 | Stratovarius |
| 3 | 9:30 | Megaherz |
| 4 | 10:02 | Von Himmel Hoch |
| Total | 39:37 |
オフィシャル版ではないので、ローカルに保存されたマスターが使用されているのかも。 盤起こしの可能性も考えられるが、そうであるなら針ノイズは丁寧に除去されているようだ。 Germanofon盤では、ほぼ目立たないながら、クリック音が聞こえる箇所がある。 音質は後発のCrown盤に若干の優位性が認められる。 しかし編集という観点では、Crown盤はダメ。 演奏終了後の残響を切り詰める、例えばRuckzuckの最後の「シュヮンッ!」が聞こえないなど、厳密には「不完全収録」。 すなわち、決定盤は存在しない。 高品位マスタリングによる正規リリースを期待したいところである。
SoundCloudの謎アカウント"The Kraftwerk Database"で本作KRAFTWERK〜Ralf & Florianまでの3作が公開されているので、調べてみた。 ちょっと聴いた感じでは音質良さげかも?と期待したが、NG評価。 「無銘盤」と同じくRuckzuck最終部分が欠けている。あちこちに針ノイズが有る。
デザインはラルフによるもので、後にKRAFTWERKのシンボルとして使われている。 画像はGermanofon盤の表紙と見開き。 Crown盤のジャケットはドットが粗くて印刷も汚く、とても満足できるものではない。