お知らせ
タワーハッカーは、周辺エリア整備のため営業を休止しています。
完成予定は2011年10月とされており、その時期まで再開されないかもしれません。
タワーハッカーはINTAMIN AGによる、高低差80mのフリーフォール・ライド。 ネーミングは、旧後楽園タワーのリプレイスであることに由来するそうです。 オープンは1996年春、タワー型落下マシンとしては国内初登場になります。 ほぼ同時期、花やしきにてスペースショット(S&S Power製)がオープンしており、 新世代タワー型ライド時代の幕開けでした。 オープンから約2年後、八景島シーパラダイスに落差100mのブルーフォールが登場しました。
![]() |
|
垂直タワーによるフリーフォールを実現した技術として、電磁式ブレーキ(リニアモーター)が挙げられます。 ブレーキパッドによる摩擦を伴わないので、衝撃や耳障りな軋み音もなく、滑らかに停止します。 INTAMINのリニアモーター技術は、以降のアトラクションに続々と搭載されました。 東京ドームシティに限っても、リニアゲイルの加速装置や、サンダードルフィンのブレーキに応用されていると思います。
タワーハッカーの周辺環境は、「後楽園ゆうえんち」時代から変遷を続けています。 オープン当時に比べて寂しい趣になってしまったことは否めませんが、 滑らかな乗り味と極上の内臓浮上感は健在といえます。
1996年、オープン当時
タワーハッカーの設置された「タワーランド」は全体が屋根に覆われていた。
タワーハッカーは、屋根の丸い穴を通して、天を突くように聳え立っていた。
周辺にはフライングカーペットなどのアトラクションがあり、順番待ちスペースも広く取られていた。
周辺にはディスプレイが数箇所設置され、タワー上部のライブ映像やプロモーションビデオが繰り返し放映されていた。
話題性もあり、かなりの賑わいだった。
2000年、スピニングコースター舞姫登場
かつての順番待ちスペースに「スピニングコースター舞姫」がオープン。
ディスプレイは残っていたが、1台のみ稼動。
オープン当時のような長蛇の列はなくなった。
2003年、東京ドームシティ・アトラクションズ
「タワーランド」の屋根の一部が取り除かれ、かつての「丸穴」は失われた。
入り口周辺には、
頂上付近からのパノラマ写真が「パウチっ子」で展示されていたり、英文の案内がガムテープで貼りつけられていたり、
椅子や机などの備品が積み上げられていたりで、
かなり寂しい趣きになった。
ディスプレイは1台を残して撤去され、映像も流れなくなった。
2004年〜
ゴンドラ6台(オレンジ3台、緑3台)のうち、緑の3台が「調整中」(落雷が原因で故障したとの情報あり)となり、そのまま撤去された。
また不具合により半年以上の長期運休になったこともある。
すっかり殺風景になった乗り場付近と、錆びの目立ち始めた外観も気になるところである。
搭乗レポート)
オープン当時の印象に基づくレポートです。ご堪能ください。
順番待ちの列からは、タワーハッカー本体は屋根に隠され、その全貌を掴むのは難しい。 そして、搬器がものすごいスピードで落ちてくる。初めて見たときは、ホントぶったまげた。それでは、搭乗してみよう。4人乗りの搬器が塔の周囲に沿って6台設置されている。係員の指示で着席、安全バーを降ろす。1度降ろすと固定され、「やっぱりやめときます」と言っても無駄だ。靴でも脱いで、足をブラブラさせてみよう。ちなみにシートベルトは無いので、間違っても横方向に抜け落ちてしまわないことを確認しておいた方が良い(いらぬ心配かな)。
「行ってらっしゃい(TDLほど愛想はよくない)」の一声でゆっくり上昇を始める。まもなく屋根の穴にさしかかるが、園内を歩く人が豆粒のようになってしまう。そして景観はがらりと変わり、大都会の展望台となる。上昇速度が上がり、10階建てくらいのビルなどは、はるか眼下に去っていく。2ウェイコースター(営業終了)は地表を走るマシンとしか映らない。展望は絶佳であるが、東京ドームは高さ60m程度あり、そちらの方向はあまり視界が開けない。とはいえ高度感は抜群で、その夜景は絶品だ。昼間と夜とで、ぜひ乗り比べてみよう。
なーんて余裕なフリをしましたが、実際はそんなに呑気な旅ではない。屋根の上に飛び出すと、園内の華やいだ空気から隔離され、とんでもないマシンに乗ってしまったことを今更ながらに後悔するのだ。上昇速度が上がり、風と町の騒音だけが響く。肩押えで上半身を固定されているので、意外に足元直下が見えず、幸いにも高度をダイレクトに感じる恐怖感は少な目だ(えーっ、そうなの?)。じわじわと頂上に到着し、ほんの少しだけずり下がる。ヒヤッとするが、ロック解除か何かだろうか、っと思っていると次の瞬間、猛烈な勢いで引きずり込まれるように落ちていく。全身に力を入れて「落ちるのヤダー」なんてやってると、内臓や脳ミソが破裂しそうだ。フリーフォールに比べると、落下時間が非常に長い。丁度、屋根の穴を抜ける頃、急減速。心の底からの、無意識の笑いに酔いしれる自分自身に気付くはずだ。
お勧めな乗り方は、頂上に着いたら意識的に深呼吸して、体の力を抜いておくことだ。ふわっと浮き上がるように両手両足万歳になり、心地よい風を全身に感じる。タワーに近接する建物は無いので、景色がゆっくり流れていく。制動がかかると、万歳した手足が、パタンと落ちる。絶対にあり得ないことだが「足が屋根に当たるのではないか」と、無意識に力が入ってしまう。ここは安心しきって、意識してでも力を抜いておくのが良い。
まとめ)
タワーハッカーは、第1世代のフリーフォール(これもINTAMIN製)に比べると非常に快適で、洗練された乗り物だ。
連続搭乗しても、特にダメージは無いので、全ての搬器からの展望を味わうことが可能である。
ただ、3台に減ってしまったので、あっさりコンプリートできる。
タワー型フリーフォールは、関東ではタワーハッカーの他に ブルーフォール(落差約100m・八景島シーパラダイス)、 G-Max(落差約50m・東武動物公園)がある。 タワーハッカーの落差は80mとされるが、サンダードルフィンの最高部(約80m)に比べると、明らかに低い。 非公式だが「タワーハッカーの塔のてっぺんが80mで、ゴンドラが登る高さはそれより低い」 (サンダードルフィン乗り場の説明による)という情報もある。 であるなら、公表データは誤りということになってしまう。
日本有数のライドであるにもかかわらず、人気は凋落し、稼働率は高くないようだ。
フリーゲート制であることも影響しているかもしれない。
立ち寄り客は、まずサンダードルフィンに流れてしまうと思われる。
そして「楽しかった〜、もう1回サンドル乗ってくか」となり、退場。
タワーハッカー利用者は、フリーパス購入者(おそらく少数派)になりそうだ。
例えば「絶叫3点チケット」(サンドル・タワーハッカー・リニアゲイル各1回で1200円くらい)のような設定があれば、稼働率が上がると思われるが、いかがでしょう。
![]() |
![]() |
タワーハッカー上昇しまーす。いってらっしゃーい♪ |
旧公式パンフレットから。 |
項目 | 値 | 備考 |
最高地上高度 | 80m | 100mという公表値もあるが、これは建造物の高さであり、実質的な高低差は80mとされている。 |
最高時速 | 98km/h | 自由落下は約50mといわれるので、こんなもんでしょう。 |
最大斜度 | 0度 | 垂直落下なので搬器の斜度は0度。だから眺望絶佳。ただし安全バーで体を固定されているので、真下を覗きこむのは難しい。真っ逆さまご愛好の方はリニアゲイルも併せてどうぞ。 |
最大G | 5G | |
運転時間 | 90秒 | |
Maker | Intamin AG |
乗車制限)
身長130cm未満、妊娠中の方、骨に異常のある方、飲酒なさっている方など。