このアトラクションは、2010年10月31日をもちまして営業終了しました。
「85度落下&きりもみ回転」の名物マシン「ウルトラツイスター」を営業終了し、その跡地にオープンしたのが、「リニアゲイル」である。
U字形のシンプルなコースで、両端は垂直にそそり立つレールという、異様なまでの風貌だ。
オープンは1998年、
INTAMIN AG製のImpulse Coasterとしては世界初で、
最高部は50mとされている。
2人乗りリフト12列のインバーテッド・コースターで、U字形のコースを時速100kmで疾走、往復する。
動力はリニアモーター(マシン名の由来にもなっている)。
前進での登りは3回、逆進での登りは2回、計2.5往復だ。
しかし、コースターは垂直部分を登りきっておらず、上部の1/3くらい余っていそうだし、実はそれほど怖くないのでは、とさえ思えてしまう(皆様、いかがです?)。
何はともあれ乗ってみるしかない。
![]() |
|
搭乗レポート)
まずは最前列。安全バーを降ろし、補助シートベルトを装着して、必要に応じて靴を脱ぐ。
床が降下しカウントダウンで前進スタートだ。キィィーッという嫌な音を立てて急発進。
でも、なんだか半端なスピードである。垂直部分に入っても、少し登る程度かなぁ。
そう、宣伝文句などで見られる「発車するや否や、瞬時に時速100kmまで加速」は明らかに大袈裟。
これは前振り、イントロダクション。
後退で駅舎を抜けると、ぐっと加速して急上昇。搬器が真下を向くが、それでも高度感は今一つ。
前進で加速。いよいよ最高速に達して、天に向かって一気に上昇。ぽーん!と放り上げられる感じかな、滞空時間がとても長いです。
最高地点での浮遊感を味わえるのは、最前列の特権かな。
左手を見ると、スカイフラワーや東京ドームホテルが「真横に」並んでいるのがよく分かる。
背面から風を感じながら、気持ちよく落下。
そのまま逆進し、加速して上昇。高さはそれ程でもないが、視界を遮るものは何もない。
歩道、路面やクルマの屋根が真っ正面に見え、地面に激突しそうなまでの降下。
そしてもう一度、前方の頂点を極め、背面落下を楽しんで急停止し、終了となる。
今度は最後列だ。はっきり言って、前進3回の登りはつまらない。 特に最初の1回は全く登らない。勝負所は、後方2回の急上昇。 逆進、急加速で上昇すると、真っ正面の地面が猛烈な勢いで遠ざかっていく。 手足の力を抜いて、ブラブラ垂れていると、「私は一体どこに行くのー」という、おばかな快楽に酔いしれることが出来る。 高度感は最前列とは桁違いで、街行く人が豆粒のようだ。 「ねえねえ、おねいさん、こっち、こっち」と言いたいところだが、誰も見上げてはくれない。 せっかくのインバーテッドなんだから、足元を覗き込んでみよう。水道橋駅方面の展望が格別である。 いよいよ最高高度からの贅沢な落下。目を見開き、万歳ポーズでバッチリ決めよう。
まとめ)
オープン当時は、足ブラ垂直落下の怖すぎるマシンとして話題になった。
後発のTwisted Impulse Coaster(前方タワーがツイスト状によじれていて、最高速度もプラス10km/hほど)に比べるとスペック的に見劣りするが、
国内唯一のImpulse Coasterである。
名機「シャトルループ」の良いとこ盗りマシン、と言いたいところだが、
インバーテッドなので、視界はあまり良くない。
しかも、当初よりも速度が遅くなったらしい。
今思えば、ウルトラツイスターの方が面白かった、との声も聞こえてきそうである。
残念ながら人気は伸び悩み、稼働率も高くないようだ。 フリーゲート制であることも影響しているかもしれない。 立ち寄り客は、まずサンダードルフィンに流れてしまうと思われる。 そして「楽しかった〜、もう1回サンドル乗ってくか」となり、退場。 リニアゲイル利用者は、フリーパス購入者(おそらく少数派)になりそうだ。 例えば「絶叫3点チケット」(サンドル・タワーハッカー・リニアゲイル各1回で1200円くらい)のような設定があれば、稼働率が上がると思われるが、いかがでしょう。 タワーハッカーやスカイフラワーとセットで楽しめば、気分は「大都会の落下人」。 時間が取れるならフリーパスを購入し、徹底的に乗り倒すことをお薦めする。
![]() ![]() |
![]() |
後楽園時代の公式パンフレットから。 |
黒い柱の少し上までしか登らんです。 |
項目 | 値 | 備考 |
最高地上高度 | 50m | 公称値はレールの高さ。実際は、40mも上昇していないようだ。最前列と最後列以外はさらに低くなる。 |
最高時速 | 100km/h | 往復しながら加速するので、シャトルループほどの急発進ではない。 |
最大斜度 | 90度 | 正真正銘の90度です。 |
最大G | Sorry | 水平走行から上空を目指してターンするとき、心地よいGを堪能できる。 |
軌道延長 | 片道約200m | 往復を繰り返すので、走行距離は800mくらいまで伸びると推測される。 |
運転時間 | Sorry | |
Maker | Intamin AG |
乗車制限)
身長130cm未満、10歳未満。ペースメーカーなど磁気に弱い装置をお使いの方、骨折なさっている方など。
後楽園ゆうえんち時代のことであるが、「妊娠中の方」の記載が見当たらなかった。まさかと思って係員の方に尋ねてみると、「営業上は妊娠中の方でも良いことになっています。もちろん重力はかかりますが...」とのこと。現在は制限されている。