Galaxy Racer
Venus GP
スペースワールド
コースターの神様 アントン・シュワルツコフ氏(Anton Schwarzkopf)の手によるコースターで、オープンは1996年。 スペースワールドのシンボルになっているスペースシャトル(ディスカバリー号)模型と絡み合うレイアウトです。 独特のカーブを描く落し(シュワルツコフ カーブ)、通常コースターとしては国内最大級(直径23m)の垂直ループ、 95度バンクターン、地面に頭を擦りそうな水平ループなど、強い個性を持つコースターです。 2006年12月にリフレッシュ工事が行われ、12/21にヴィーナスグランプリとして新装プレ・オープンしました(完全オープンは2007年1月下旬)。 従来の淡い色彩から、主張のある濃い色に変更され、新たな出発となりました。
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駅舎に入ると、スロープを登り乗車ホームを越えて、反対側に回り込む。 ホームに下りると、希望する乗車位置に並ぶ「分離待ち方式」が採用されている。 人気の先頭車両やスリリングな後部座席も、待てば必ず乗車できるシステムになっている。 荷物は原則ライドに持込み。 なので壊れやすいものや大きなものはロッカーに入れておいたほうが良い。 ライドには珍しいタイプのショルダーハーネスあり、小型なので圧迫感はないが、 万歳したくても思うように腕が上がらないのが残念だ。 ハーネスのロックを乗客自身にチェックさせるのも珍しい(時間短縮に効果ありそう)。
ヴィーナスグランプリは金星で開催されるレース。 この推進システムは、 パイロット(乗客)の「ノリ」の良さ(掛け声の大きさ)が好タイムを出す秘訣とされている。 本来は「ナス!」(VE-NUSのNUSと思われる)と叫ばせるのだが、 乗客に理解されにくいようで、「声が小さい」と何度かやり直しさせられた。 なので筆者はこのコースターを通称「ナスビ(NUSVE)」と呼んだが、こちらも家族にあまり理解されなかったようだ。 さすがに夜になるとカウントダウンイベントで大混雑(90分以上待ち)。 やり直しする時間もないので、Ready "GO!" で済ませていた。
タイムトライヤルなので、実際にタイムを計測している。 巻き上げ直後からブレーキゾーン直前までで、標準タイムは50秒台のようである。 なお、「ノリ」の良さをタイムに反映させるには、巻き上げ開放時の初速度を微調整することになると思うが、 実際の運用については分からなかった。
巻上げが始まると、左手にスペースシャトルと複雑なコース、右手にJR鹿児島本線と都市高速が見える。 「宇宙がテーマなのに線路や高速道路なんて」と気にする人は気にするかもしれないが、筆者は特に問題にしない。 もっとも「ヴィーナスグランプリ地球代表選考会」なので、ビルや鉄道が見えても破綻しないと思うのだが。 最高地点(地上40m)に到達しても、スペースシャトルの先端ははるか頭上。ホントにデカいです。
巻上げが終わると平坦なコースを左カーブし、シャトルの背中に回りこむような1stドロップ。 高度の半分くらいしか落ちていかないことから、そこそこのスピード感で、まぁ普通の落としというところ。 左にひねりながら登り返し、そのまま左ひねり落し。 今度は地面付近までの、ダイナミックなシュワルツコフ カーブだ。 左側の席なら、空中を舞うよな落しを楽しめる。 着地すると、そのまま垂直ループに入る。 ループ径が大きいので、いきなり強いGがかかることもなく、爽快なまでに転地逆転していく。 通過時間はとても長く、海外の大型アクション系コースターに引けをとらない。 地面が迫り、プラスGに襲われると、その先には複雑に絡み合ったレールが見えてくる。 ここまでは、いわば序盤戦で、お楽しみはこれからなのだ。
大きな右旋回を抜けて、落とし穴をくぐり、連続左ブーメランターン。 ほぼ垂直(オーバーハング気味)のバンクだが、畳み掛けるように通過し、 それをあまり意識することはない。 常に継続するプラスGをこらえるだけである。 そしてまた水平ループへ。
終盤のクライマックスは、地面すれすれの水平ループ。 最初は右旋回。 地面の小石や芝生の目が見えるほど地面に接近し、本当に頭を擦りそうだ。 もちろん右側の席がお薦め。 水平ループを上ると、今度は左旋回で地面すれすれ水平ループ。 両方の席で楽しめる、粋なサービスだ(スピード感は右側に軍配)。 ループを抜けると直線コースになり、ゴールのゲートをくぐるとブレーキゾーンで、終了です。
まとめ)
最後まで続くスピード感と緊張感。
見せ場もたっぷり用意され、絶妙な設計といえるでしょう。
メンテナンスが効いているのか、乗り心地も非常に滑らかです。
国内屈指の名作マシンであることに間違いはありません。
ただ、コース全般にプラスGが続くので、意外に体力を消耗します。
言い換えると、浮きを感じるシーンは少ないです。
独特の耳障りな走行音に、搭乗拒否する初心者続出かも?
項目 | 値 | 備考 |
最高地上高度 | 40m | |
最高時速 | 86km/h | 数字以上のスピード感を楽しめます。 |
最大斜度 | 60度 | |
最大G | 5.2G | 比較的大きな値であると思います。 |
軌道延長 | 1040m | |
運転時間 | 2分15秒 | |
定員 | 24名 | 2人乗り車両の12両連結です。 |
制作 | Maurer Söhne | 設計は Ingenieur Büro Stengel GmbH |
乗車制限)
身長120cm 〜
Venous GP onride rear seat |
Venous GP onride front seat (night view) |
Venous GP offride (starting night view) |
Venous GP offride (vertical loop night view) |
Hanabi at 31 Dec 2006 part 1 |
Hanabi at 31 Dec 2006 part 2 |