ナガシマスパーランド(ナガスパ)は、 木曽川と揖斐川の河口にある長島温泉に併設された遊園地。 その特色は充実した絶叫マシン群で、国内では富士急ハイランドと双璧をなしています。 目玉は世界的にも有名なギガコースター「スチールドラゴン2000」。 そして国内最大の木製コースター「ホワイトサイクロン」というところでしょうか。 その他のマシンは中小規模になりますが、往年の名機たちが揃っています。 かつて一世を風靡したシャトルループ、コークスクリュー、フリーフォールなどのマシン群を、 まるで博物館のように渡り歩いて楽しめます。 そしてアフターは温泉「湯あみの島」で決まり。遊園地利用者は500円と、たいへんお得です。 |
スチールドラゴン2000 | |
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巻き上げ式コースターでは世界最大。 速度、高度でこれを上回るコースターは、全てアクセラレータ方式だ。 97mの高さから落差93.5mを駆け下りて、時速153キロに達する。 1st、2ndの、とにかくデカいドロップ。 スピード感あふれる8の字コース。 浮きまくりの連続キャメルバック。 全般に、おおらかなコース設定ながら、圧倒的な高さと速度では他を寄せつけない。 特にすごいのは、後ろの席でも「涙が飛び散る」風圧があること。 これを味わえるのは国内では「バンデット」後半の大落し(ただし最前列限定)だけと思う。 「ドドンパ」「フジヤマ」「ええじゃないか」「サンダードルフィン」で味わえないことについては、考察の必要がありそう。 ちなみに前の席では、小虫がぶつかってきて難儀した。メーカーはMorgan。 movie |
ホワイトサイクロン | |
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日本最大の木製コースター。 名前のとおり真っ白なカラーで、優雅な曲線美に萌える。 しかしスペックは硬派で、最高速度100km/hを超える。 浮き具合、引きずり込み、スピード感もバッチリのキャメルバック。 特に最前列では、思わず立ち上がってしまうほどの浮き。 一方で、ゴツゴツと突き上げるような旋回コースは評価が分かれている。 INTAMIN製のマシンだが旧タイプなので、振動は仕方ないようだ。 5回連続で乗ると頭痛を感じたので、このあたりが限界かもしれない。 夜のライトアップは幻想的で美しく、でも大抵は営業終了時刻を過ぎている。 これに乗るには、夜間営業イベントなどを狙わなければならなさそうだ。 movie |
ジャイアントフリスビー | |
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非コースター系メーカーHUSSによる大型絶叫マシン。 富士急ハイランドの「トンデミーナ」と同型機で、オープンもほぼ同時期だった。 感想は富士急のコーナーに書いたけど、120度の大振幅は迫力満点。 爽快な風を受けながら、まっさかさまな園内展望に酔いしれる。 スチドラの1stドロップ、落ちてるなぁ、などなど。 搭乗時間は、意外に長い。 そして、終了が近づき高度が下がってくると、今度は軽い「乗り物酔い」。 なので連続乗りは控えてます。 movie |
スペースショット | |
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S&S Powerによる、垂直タワー打ち上げ型のマシン。 ライドは12人乗りで、床も囲いも無い、全身むき出し状態。 エアランチによる爆発的な打ち上げはインパクト抜群で、頂上に達すると爽快に浮き上がる。 そして急降下。あとはバウンドしながら、徐々に高度を下げていく。 以前は、個人的には酔いを感じたのだが、ある時期を境に何ともなくなった。謎である。 設置面積が小さいことから、各地のパークで営業しているが、標準高度は60m。 それに対してナガスパでは75mもあり、しかも3台連結で、壮観の一言。 スチドラが登場するまでは圧倒的な高さであり、非日常感を存分に味わうことができた。 もちろん今でも眺望絶佳です。 movie |
ルーピングスター | |
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アントン・シュアワルツコフ氏が手がけたコースター。 ヴィーナス(スペースワールド)の前身といえるだろう。 よじれながらのファーストドロップ(シュワルツコフ・カーブと呼ばれる)、大き目の垂直ループ、そして急バンクのカーブが連続する。 特にファーストドロップは見かけも一癖あるが、実際、引きずり込まれるような感覚だ。 特に後ろの席なら振り落とされるようなスリルがある。 そして垂直ループで畳みかける。 後半にも地面に迫る旋回あり、トリッキーな動きをする。 ライドはスチドラのように深めだが、ショルダーハーネス無しはポイント高い。 気温の影響を受けやすいようで、冬の朝一などスピードが出ず、カーブの内側に落ちそうになるのを必死で堪えるようなスリルあり。 逆に暖かい時はスピードを抑えるため乗車人数制限をしていることもある。 季節や天候によって乗り味が大きく変わる点、奥深く楽しめそうだ。 残念なのは、錆びや油汚れの目立つ外観。 それでも垂直ループにはイルミネーションを装備し、がんばってます。 movie |
シャトルループ | |
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アントン・シュアワルツコフ氏が手がけた歴史的な名機。 1970年代終盤に登場した、 元祖アクセラレータ方式のコースターで、いきなり90km/hくらいに加速して垂直ループ。 そして高さ40mほどの前方タワーを登りきり、速度がゼロになったらバックドロップ。 そのまま垂直ループを逆走し、ホームを抜けて後方タワー。 再び前向きにドロップするとブレーキが掛かって終了。 さすがに「ドドンパ」の爆発的な加速と比べてはならないが、 非日常体験としては十分であり、決して古びることはないと思う。 最前列ではスタートダッシュと前方タワーの最高点を楽しむことができ、 最後列では後方タワーの斜度感、高度感をフルに味わえる。 両方一度に味わえないのは往復型コースターの宿命だが、 乗車位置を自由に選べるので、空いているなら、どちらも体験しておきたい。 シャトルループは、国内では、ここにしか残っていません。 movie |
コークスクリュー | |
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Arrow 社による2連続スクリュー回転コースター。 同社製のコースターは米国を中心に、7回転、8回転仕様のものが作られ、スクリュー回転が現れたら「そろそろ終わり」だったりする。 だから「あまりに短いコークスクリュー」と思われるかもしれない。 しかし、侮ってはならない。規模に見合わず強烈なのだ。 巻上げが終わると、数メートル下って右180度ターン。 スピードがない割には、異様なバンクがついている。 もっとも、ハーネスに押さえられて「落ちそう」なんてこともなく、あまり意味なさそう。 でも、ストレートにドカンと落とす1stドロップはGOODですよ。 再び180度右ターンして、スクリュー回転2連続。 地面に近い低さで、強引に回されるので、かなりハード。 ねじれた重力が、すごい。抜けると、もう終わり。 「としまえん」にも同じレイアウトのコースターがある。 コース上には樹木が多く配置され、どことなく寂れた雰囲気もあわせて「としまえん」に似ている。 movie |
ウルトラツイスター | |
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トーゴ制作の、トリッキーな名機。旧「後楽園ゆうえんち」で営業終了してから、関東では乗れなくなった。 6人乗りライドに乗り込みハーネスを下ろすと、後ろ向きに動き出す。 そして垂直に立ち上がり、天に向かって巻き上げ。 登りきると、高さは程々ながら、85度の急降下。ふわりとした、軽やかな落しだ。 そしてキャメルバック。お尻がシートから飛び上がっている。 そして右渦巻きのハートラインロール。 なんとも不思議な感覚。 少し登って一旦停止し、スイッチバックで後進。 今度は2連続ハートラインロールでノックアウトされてしまう。 たいへん濃い動きのマシンだが、最大の特長は「完全な」ハートラインロール。 乗客の左右真横にあるレールと、機械工学の粋を極めたライドデザインにより、 不快なGの無い、きれいなハートラインロールを堪能できる。 ただ、一旦停止のブレーキが乱暴すぎて、残念。 それでも「ええじゃないか」を思わせるハイテクマシン。末永く走り続けてほしい。 movie |
フリーフォール | |
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INTAMIN AGによる第1世代の垂直落下マシン。 近年のタワー型とは異なり、ライドは重厚な箱型で座席も狭く、足元にはメッシュ状の「床」がある。 乗り込めば、目前に鎮座する別ライドの無骨な背面。 陰気な金属音をガシガシ響かせながら動きだす。 上昇速度は速く、ブレーキが掛かると少し浮く。 高度40mは、今となっては何も感じなくなったなぁ。 前にせり出して、突然落下。その落としは、タワー型とは別物であることがわかる。 ふわっとした落しではなく、ずしりとした落し。 床があるせいか、足は上がらない。 天を仰いでブレーキゾーン。ここで着地した(終わった)んだなぁと気付く。 そしてスイッチバックでホームに戻る。 この独特の動きが、かえって新鮮だ。 垂直落下部にブレーキが無いことから、時速90キロに達する実力を持つ。 movie |
シュートザシュート | |
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約30mの高さから40度の角度で水面に突っ込む、水ものコースター。 その水しぶきは軽く10mを超えるので、乗客はずぶ濡れになる。 困るなら、ポンチョ100円也を購入すべし。決して悪い買い物ではないはずだ。 横4列のライドに乗り込むと、床やシートはビショ濡れで、うかつに座るとパンツまで染み込む。 乗り込む前に、ポンチョでしっかりガードしよう。靴も忘れずにガードしておきたい。 最初はプカプカのんびり流れて巻き上げに入る。 登りきると、中堅コースター並みの高さにいる自分に気付く。 180度転回して落し込み。程好い斜面を滑らかに下っていく。 思わず万歳していると、着水時に安全バーで胸を打ってしまった。不覚。 もし余裕があるなら、真上を見上げていただきたい。 壮大な水の壁が、全天を覆う。 青空の下、巨大な水柱は白く輝き、あまりの美しさに背筋がゾクゾクするほど。 そして次の瞬間、大量の水が滝のように降り注ぐ。 水圧はずしりと重く、雨具無しでは水中に落ちたのと同じ。 夏場なら濡れてみるのも一興だ。 富士急ハイランドの「グレートザブーン」と同じです。 (写真撮影時は残念ながら運休) |
ボブカート | |
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メタリックなボブスレー状チューブを走る電動カート。 手動のアクセルのみで、シンプルに操作できる。 コースは、バンク自由な急カーブと、小キャメルバックの連続。 もちろんスロット全開でOK。 さすがに浮かないけど、バンクの振れが大きく、なかなか楽しいっす。 片手がふさがるので、乗り撮りはしなかったけど。 コースは2種類あるが、乗った当日はホーム左側コースのみの営業だった。 スチドラ出口から近いので、空いているなら気分転換にお薦めだ。 |